「あっけなかったなぁ・・・」
以外にも早く、その終わりは訪れる
沢山のものを失ったのに、もう戻っては来ないはずなのに
その終わりは以外のも早く訪れてしまった
「蜜柑、ちゃん・・・」
「・・・鳴海先生。そっか・・・先生方は忘れずにいなきゃいけなかったんだっけ」
「蜜柑ちゃん、もうそれは全部終わったんだ。校長も、Zも居なくなった」
戦い合い、気づいたらZの頂点やらと校長達が相打ちになり、倒れてしまった。
他の人たちも大半が戦いによって命を落とし、関わった人間なんて一握りのようなものだ。
無理やり戦わされていた学園の生徒達はもう戦う必要も無く、学園生活に戻っていった
「学園は変わったよ。今までの制度は殆んど無くなった。長期休暇は望めば交代で帰れるようになった。アリスの子達は人身売買の標的になったりするから、先生達と同伴になってしまうけど、それでも・・・いい方向に変わってる」
「そう・・・ね」
「棗君の体調は大分よくなってるよ。無理してつかってたアリスをあの日から無理をすることがなくなったから、良くなったんだ」
「・・・・何が言いたいの」
久しぶりに見た先生は、何も聞いてはいないのに言葉を発してくる。
「君のやり方はどうしても賛成できなかった。だけど、蜜柑ちゃんのおかげで学園は変わって、棗君のような子がたすか」
「助けるためにやったのに、蛍や棗、流架ぴょん・・・みんなが幸せになるためにやったんだから、幸せになってくれてなかったら意味ないもの」
そのために友人との縁を断ち切って、苦の道を選んだんだから
みんなが幸せでないのなら何も意味がない
「・・・・蜜柑ちゃん、学園に・・・教室に戻らないかい?」
「私が、今戻ったところで何も意味が無いわ。そもそも」
「それでも戻ってきてほしい。僕は君を忘れていない。皆は君との、蜜柑ちゃんの記憶という記憶を失ってしまっているけど・・・」
『記憶を、お前の友人の記憶を、お前と出会ったときからすべて無い物にし、お前が私に忠誠を誓い、自身を一生私に捧げるのなら、考えてやらない事も無い』
友人の幸せを願うのには大きな対価が必要で
自分の行動で皆は佐倉蜜柑という人物の記憶を失った
佐倉蜜柑が居たという事実は友人達の記憶には存在しない
「私は・・・・」
「僕が戻ってきてほしい。だから・・・」
「分かりました。先生がそこまで言うのなら」
自分は知っているのに、自分を知らないクラスメイト達がいるあの教室に居るのはきっとものすごく辛い事なのかもしれないけど
当時のメンバーを見たい気持ちに、鳴海先生に呼ばれたから
再び、アリス学園に通おう