やはり、彼女はつっかかってきた
「アリスを秘密にして、新入りの癖に生意気よ!」
「ぱ・・・えっと、人には秘密にしたい事の一つや二つあるでしょ?その一つですよ」
パーマ、と思わず言いそうになったが、止める
ぱっと思いついた言い訳をする
「でもアリスを秘密にするだなんて、ここはアリス学園よ?そもそも貴方星階級いくつなの?」
星階級。久しぶりに聞いた
パーマがすぐに星階級の話になるのは何時もの事だけれど、自分の星階級なんて聞かされていないような・・・
「なんだろう、星階級。あとで先生に聞かないと」
今まで全然違う宿舎で寝泊りをしていたため、星階級は関係なかった
以前のままなのなら、シングルのままなのだろう
「自分の星階級もしらないだなんて」
「・・・転入生なんだから知らなくて当然でしょ」
懐かしい、懐かしい、大切な人の声
声のすぐ方向を見ると、思っていたとおりの人物がそこに居た
「佐倉さん、こんな奴の言う事なんて聞くこと無いわよ」
分かってはいたけれど
『蜜柑』
そう呼んでくれたはずの彼女の口からでるのは“佐倉さん”
委員長に言われたり、パーマに新入りと言われたことはそこまで苦しくならなかったのに
こんなにも、苦しい
こんなにも、蛍にそういわれたのは苦しい
「そうしとく」
分かっている事でも
実際に突きつけられるというのはこんなにも苦しいんだね
やっぱり、このクラスメイトのいるこのアリス学園の生徒として再びこの学校に通うという事はしなければよかったかな
君達に再び会えた事は良かったけれど
苦しい
こんな事は、苦しくてたまらない