久しぶりに通うアリス学園の授業が終わり、放課後になってから鳴海先生を探す。自分の星階級を確認するためだ

別に星階級の確認は他の先生でもいいのだろうが、鳴海先生のほうが自分の事を知っているだろうし、何故だか鳴海先生に聞かないといけないような気がした

「・・・・先生」

「なんだい?蜜柑ちゃん」

鳴海先生を見つけると、声をかける。彼はこちらを向くと何が嬉しいのか、すごくうれしそうに返事をする

そんな変わらない先生の姿に嬉しさを感じながらも、そんなそぶりを見せないようにしながら言葉を続ける

「私の星階級は何でしょう?あの頃の・・・初等部のあの頃から変わらずにシングルでしょうか」

「ああ・・・言い忘れていたね。ハイこれ、蜜柑ちゃんのバッジだよ」

「ちょお先生、これ!?」

驚きのあまり声が少し上ずる

こんな物をもらえるほど、私は凄い人物ではないのだから

「蜜柑ちゃんの行動は他の先生方に評価されているんだよ。君のお陰で学園は変わったんだ」

「・・・私は何もしてないです」

「・・・僕は君のする事に反対だった。だけど、蜜柑ちゃんの行動はこのバッジをもらえるような行動だったんだよ」

わけが分からない

「もしも、蜜柑ちゃんがあの道を選ばないで学園に残っていたら、学園からの反逆者は増え、もっと酷い事が起きていただろうという先生方の予測でもある。だから蜜柑ちゃんは何も言わずにこのバッジを受け取っといて」

円の中に星が描かれているデザインのバッジ。スペシャルのバッジ。眺めると、握り締めてスカートのポケットにつっこむ

「・・・・先生、私やっぱり」

「僕は今からでも蜜柑ちゃんは普通の学生に戻ってほしいんだ。少しでも元気に戻ってほしい」

「私は十分元気だよ。だから・・・」

「自分の口調を無理やり変えて、無理してるのがバレバレだよ。もう口調だって元の口調に」

「先生、私の部屋はどこです?」

唐突に話を変えたのに対して、鳴海先生は苦笑する

「あぁ・・・中等部寮の寮母ロボットに聞けば部屋の場所は教えてくれるから」

「・・・・分かりました」

先生のする話を聞きたくなくて、ごまかすと今まで寝泊りをしていた宿舎へ向かう

中等部寮に荷物を移す、とはいえ今まで寝泊りをしていた宿舎から取ってくるものなんてほとんど無い

そう思いながら改めてみるとものすごく殺風景な部屋だ。この部屋で暮らしてから購入したものなんて殆んど無い。必要なくなってしまったから

今まで使っていた・・・・初等部校長から支給されていた服をゴミ箱に無造作に突っ込む

必要がなくなったから

そんな作業をすると、宿舎から出る

別にこの宿舎を明け渡せといわれたわけではないが、僅かに置いてあった荷物をすべて片付けると中等部寮に向かった

「あ、寮母さん」

「佐倉蜜柑さんですね」

中等部寮に入った途端、寮母ロボットが話しかけてくる

初等部にいた寮母ロボットのタカハシさんは口調になまりがあったが、中等部のロボットはそんな事も無いらしい

「佐倉蜜柑さんの部屋はこちらです」

「蜜柑でいいよ、寮母さん。ありがとう、私はもう大丈夫だ・・・なっ!!!」

ふと隣の部屋をみると書かれていた札に驚きを隠せない



“Hyuga Natsume”



「・・・・ここしかないんですか?」

「あとはこの4つとなりの部屋ですかね」

言われるがままに、その隣の部屋の主の名前とかを見ていく。

先生に対して怒りを覚えてしまう

“Tobita Yu"

“Imai Hotaru"

「女の子同士となりの部屋のほうがいいですよね。じゃあこっちの今井さんの部屋の隣はどうです?」

「・・・・はぁ」

先生に怒りを覚えたが、先生は自分で案内してくれれば良いのに寮母にまかせていたのだから、その時点で気がつくべきだったのだ

蜜柑はそう思うとドアを開けてベットにダイブした



とりあえず、疲れたからこのまま眠ろう