ゆっくりと目蓋を開けると、見慣れない白い天井が視界に入る。
ここは、何処だ
死んだ・・・?
記憶を思い巡らせると、自分の意思で宿舎の屋上から落ちたのを思い出す。人なんて自分以外全然住んでいないのに妙に広く、でかいその宿舎。
あんな所から落ちたのではひとたまりも無い。そんな高さ。生きているはずは無い。
ふと頭を上げようとすると、何かに阻害されるかのように持ち上がらない。それと同時に頭に激痛が走った。同時に、やっと口につけられている酸素導入用のマスクに気が付いた。一体、コレは何なのだろう
「・・・」
痛みに耐えながらも上半身を起こす。
「・・・っ!?」
周りをしっかり見た瞬間、息を呑む。そこには信じられない光景が広がっていて、両手には一方に蛍、もう一方に棗の手がにぎられていて・・・・。
「起きたのかい」
ドアの近くに寄りかかり、立っていた鳴海先生が声を上げる。
「・・・記憶が戻りかけてから10日間近く。蜜柑ちゃんが此処に運ばれてから3日間。ずっと、彼らは心配していた」
一言も声が出ない。思いつかない。状況が把握できない
それほどまでに蜜柑はテンパっていた。
「此処に居る3人は一歩も譲らず強情に蜜柑ちゃんを診ていた。ずっとね。それでも、3日間だ。ほとんど寝ずにいた3人はここにきて急に疲れが出たんだろう。それでも、寝ながらでも君の傍を離れないでずっと手を繋いでるんだ」
繋いだ手を振りほどこうと、するが眠っているはずなのに解こうとすると力が込められ解く事ができない
握ってないで
「・・・だめ」
か細い声が口から出てくる。頭の中はごちゃごちゃで、いう言葉はみつからない。
だけど自分の口は勝手に動き、心の奥底で思っている言葉を勝手に喋り始める。
「どういう事、なの。呪いは消えない。諦めたんじゃないの?私はこの場に居ないはずなのに。居てはいけないは」
「・・・み、かん。やっと起きたのかよ」
思わず、息を呑んだ